生きることの意味【完結・加筆完了】
サトル



それから、あたしは緋人の家を後にした。
送るって言われたけど、京香さんが迎えに来るんだろうなとか思ったら送ってもらうのは悪い。

だから、断ったんだけどそれにも緋人はぶーぶー文句垂れていたから、苦笑するしかない。



緋人の家を出てから数分後、携帯が震える。
その相手は緋人だった。

なんだ。少し疑問に思いながら、あたしは通話ボタンを押した。


『もしもし杏奈。忘れてたんだけどさ。テレビ、週末にやるみたいだから』

「そうなの?詳しい時間とかわかったら教えて」

『うん。杏奈、見てくれる?』

「見るよ」

『そっか。嬉しい。んじゃ、頑張って来る』

「お仕事頑張ってね」



通話を終えてから、あたしは空をぼうっと見上げた。
テレビ、か。


きっと、緋人はどのモデルよりも輝いてるんだろうな。
そして。

あの自信満々な態度は変わらないんだろう。


それが想像出来て、口が勝手に孤を描いた。

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