生きることの意味【完結・加筆完了】
「あれ、緋人に……そっちは?」
「俺の彼女ですよ、サトルさん」
「ふうん。そうなんだ。よろしくね。俺、サトルって言うんだ」
「あ、えっと、春瀬杏奈です。雑誌見たから知ってます」
「知ってくれてるの?嬉しいなー」
そう言いながら、サトルさんがニッコリと微笑む。
その笑顔はとっても優しそうで、緊張していたあたしの顔も緩んだ。
なんだ。緋人が色々言ってたからもっと怖い人かと思ってたけど、全然優しそうじゃん。
「行くよ、杏奈。失礼します、サトルさん」
「はいはーい。杏奈ちゃん、またね」
ヒラヒラと手を振るサトルさんにペコリと頭を下げると、あたしと緋人は横を通り過ぎた。