生きることの意味【完結・加筆完了】

ミレはいないのかな。
スタジオで待っているが、ミレの姿はない。


すると、隣に誰か人の気配がしてあたしはふっと顔をそっちに向けた。
その相手は、サトルさんだった。



「っ」


驚いて息を呑むあたし。
だけど、サトルさんはそんな事気にせず話し出した。


「緋人と、付き合ってどのぐらいー?」

「え」


淡々と尋ねられる。
どういう、意味だろう。


「ねえ、どのぐらい?」

「えっと、まだ一週間ぐらいですけど」

「ふうん。緋人のどこがいいの?顔?」

「……」

「それならさ」


急にサトルさんはぐいっと顔をあたしに近付けると、目の前でニッコリと微笑んだ。


「俺にしない?」


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