生きることの意味【完結・加筆完了】

……え?ちょ、っと。今何て言った?
あたしが答えられずにいると、更にサトルさんの言葉が続く。



「緋人より、俺のがいい男だと思うよ?」


身体を元の位置に戻すと、スッとあたしの手を取ってそこに一度ちゅっと口付けを落とした。


「っ!?」


手の甲に、キス!?ちょっと、この人どっかの王子様出身なの!?
こんな風に普通にキスする人、初めて見たんですけど。


動揺してるあたしを見てクスっと笑ったサトルさんは、さっきと同じ様にヒラヒラと手を振ってスタジオから出て行った。


キスされた箇所を掴んで、あたしはサトルさんが出て行った方をじっと見つめた。


な、何アレ。
もしかして、緋人が気にしてたのってあれ?
だから、一人になるなって言ってたの?サトルさんと二人にならないように?


笑顔とか雰囲気は相変わらず優しいモノなのに、あのセリフとか行動が完璧肉食だよ。
あたしはあんなんじゃ落ちない。


……それに。

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