生きることの意味【完結・加筆完了】
「お、おはよ」
とりあえず挨拶しなくちゃと思ったあたしは口にするけど、やっぱりどもる。
それを見て、ふっと笑うと。
「杏奈、学校行こ!」
そうやって、あたしに手を差し伸べた。
あたしは笑顔でその手を受け取った。
二人で並んで歩いていると、通り際女の子が振り向いて行く。
もう、何回も。
あたしの学校の子も、何人かいた
駅に到着すると、更に注目されているような気がする。
それが、あたしは髪の色の所為なんだと思っていた。
だって、真っ赤なんて目立つし。
だけど、そうじゃないと知るのは。
「あの…」
おずおずと話しかける女子高生二人組。
この、制服は隣の駅の女子校のだ。
私はその二人を、穴が開くぐらいじっと見つめる。
「…緋人ですよね?」
……何で知ってるんだ?
こいつ、そんな有名人なの?