生きることの意味【完結・加筆完了】

半ば放心しながら、あたしは彩加に尋ねる。
だけど、彩加本人は何を言ってるのかわからないらしい。



「たった、それだけの事で香奈をイジメてたの?」

「それだけ?十分じゃない?」

「でも、流石彩加だよね。一番仲良しだった杏奈をイジメたら、仲間にしてあげるだなんてさ」

「そうそう、傑作だったー。杏奈をイジメた後、めっちゃ泣いててうっざいったらない」

「……」


なんて、最低なんだろう。こいつらは。
そして、あたしもなんて最低なんだ。


香奈がイジメられてる事なんて、知らなかった。
知らなかった。



「もう、香奈をイジメないで」

「何で?」


彩加はキョトンとした顔で首を傾げる。



「さいってい。本当に」

「えー?どっちがあ?」


その彩加の言葉に、眉がぴくりと動く。
あたしは何も言わずに黙って続きを待った。
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