生きることの意味【完結・加筆完了】
「……は?」
酷く低い声が頭上から聞こえた。
緋人が発したのか、そう疑うほど。
どんな顔をしてるのか、確認するのが怖くて顔を上げる事が出来ない。
再度、緋人があたしの肩を掴む。
だけど、その力はさっきと比べ物にならないぐらい強くて痛みに顔が歪んだ。
「何で死んじゃえばいいなんて言うわけ?」
抑揚がなくて、冷たい声に手が震えて来る。
本気で緋人は怒っているんだ。
「それで全て解決すんのかよ。置いて行かれた俺の気持ちは?
どうでもいいわけ?」
「……」
「……はっ。何も言い返さないのかよ。
よくわかった。杏奈にとって、俺はそのぐらいの男だったって事ね。
まあ、見返すとかなんとか言いながら俺の我儘で彼女になってもらってたわけだし」
緋人は軽く自嘲すると、続ける。
「もういいや。杏奈、俺の我儘に付き合ってくれてさんきゅな。
もう無理して彼女やらなくていいよ」
「え」