生きることの意味【完結・加筆完了】
何でここにいるの?
あたしに用があるわけじゃないよね?
だって、あたし学校とか教えてないし。
なるべく関わりたくなくて、急ぎ足でその人だかりを通り過ぎようとした。
が、すぐにそれは阻止された。
「あ、杏奈ちゃん!」
間違いなく、その人だかりの中心にいる人物に今、名前を呼ばれた。
「ごめんねえ。この子に用があるから」
そう言って女の子の輪から抜け出ると、あたしの横に並ぶ。
訝しげな顔をしているであろうあたしに、彼はにっこりと笑った。
「何か用ですか?」
「うわ、冷たい。それ、杏奈ちゃんに会いたくて仕方なかった俺に言う言葉?」
「……何で学校知ってるんですか」
「無視かい。いいけどっ。何でって言うけど、こないだ撮影の時に杏奈ちゃん制服だったでしょ?」
「……あ」
そうだ。学校終わった後だったから、着替えずに制服で撮影に行っていた。
それでどこの高校かわかったのか。