生きることの意味【完結・加筆完了】


「それじゃあ、あたしはそんな緋人を支えます」

「支えるって…、もう別れてるのに?」

「はい。あたし、やっと緋人が好きだって言えます」

「……」


サトルさんはあたしの告白に、目を細めると黙った。


あたしはやっと、緋人が好きだって事を自覚したんだ。
緋人がどうして、サトルさんと会った日あんなに怖がっていたのか。


全てサトルさんに彼女を取られたからだ。


緋人はどうでもいいみたいに、元カノの事を話してたけど。
そんなわけない。


緋人はきっとどの子も大事にしようと思ってた筈だ。
だけど、それが出来なくなってただけ。


サトルさんに奪われてから。


傷付かないわけがない。
名声や、見た目で、その元カノ達はサトルさんを選んだんだ。


それでも、負けずに緋人はモデルを続けて、今では看板モデルとまで言われる様になった。


やっぱりあたしは緋人に相応しくなんかない。
だけど、緋人を好きでいたい。

勝手だけど、緋人を好きでいたいんだ。
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