生きることの意味【完結・加筆完了】

「そっか。杏奈ちゃんって本当に変わった子。
友達になりたかったなー。俺」

「はは。緋人に何もしないって約束してくれるならいいですよ」

「それは約束出来ないや」

「やっぱりですか」

「明日のショーは行くわけ?」

「……」


そのショーは緋人にとったら大事なモノだ。
あたしが行っていいのかわからない。


あたしが行ったら、邪魔になるだけかもしれない。



「……行きません」

「何で?好きなんでしょ?」

「あたしが行ったら、嫌な気持ちになるかもしれないし」

「誰が嫌とか、なんかよくわかんない感覚。別に自分が行きたいなら行けばいいじゃん」

「……」

「あ。それと、そのかやちゃんも今からでも遅くないと思うけどな」

「え?」



香奈です、と言いそうになったのを堪えて、あたしはサトルさんの言葉を待った。
サトルさんは相変わらず優しそうな笑顔をしている。

これが全て偽物とは思えない。
本当に性格悪い人って、顔にも出ると思うのに。

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