生きることの意味【完結・加筆完了】


そっか。
サトルさんはどうやったら緋人と仲良くなれるのかわからなかったんだ。

嫉妬もあっただろうけど、純粋に羨ましくて仲良くしたかったのかも。
大分、捻くれてるけど。


それでも、サトルさんの笑顔が優しい理由がやっとわかった。
素直になれないだけなんだ。



「本当に変な誤解しないでよ」

「いや、あたしは誤解じゃないと思ってます」

「あーもう、このまま一緒にいたら俺に変なイメージがつきそ」



もうついてるけどね。とは敢えて言わずにいた。
サトルさんは「俺は行くね」って言いながら立ち上がる。

だから、あたしも一緒に立ち上がった。



「んじゃ、杏奈ちゃん。また」

「はい」


やっぱり屈託のない笑顔を惜しみなく見せるサトルさん。
どうしたって、そんな笑顔をする彼を悪人とは思えなかった。



「あっ」


手を振りながら、何かを思い出したのかサトルさんは言葉を続ける。


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