生きることの意味【完結・加筆完了】
「杏奈ちゃん。こんにちは。久しぶりね」
「おばさん、こんにちは」
「香奈だけど…、誰とも会いたくないって言って部屋から出ないのよ」
「……あの、上がる事って出来ないですか」
「……そうねえ」
「きっとあたしにしか、話せない事なんです」
「会ってくれるか、わからないわよ?」
「いいです、それでも」
「そう、それじゃあどうぞ。私は買い物もしたいし、ちょっと外に出て来るわ」
「……ありがとうございます」
おばさんはあたしに気を遣ってくれて、あたしを部屋に通すとすぐに財布片手に外へと出かけて行った。
それから、あたしは階段を上がって香奈の部屋の前に立つ。
スーハアーっと、一度大きく深呼吸をしてからあたしは意を決して香奈の部屋の扉をノックした。