生きることの意味【完結・加筆完了】
「辛くて、生きてる意味なんてわかんなくて、死にたかった。
でもね、そこで出逢ったのが緋人だったんだ」
「……」
「彼は、あたしのヒーローだった。
あたしは彼に救われた」
涙はボロボロと流れ続ける。
それを拭う事はせずに、あたしは扉に額をつけた。
「だからさ、あたしが香奈のヒーローになるよ」
「……あ、んな」
「もう、彩加にも南津子にも負けないから。だから、学校行こう」
「……」
「怖いっていうなら、あたしが毎日迎えに来るよ」
「っ、なん、っで。わ、たし、杏奈をいじ、めたの、に」
「だって、それしか道がなかったんでしょ?」