生きることの意味【完結・加筆完了】


家に帰宅すると、いつも通りに迎えてくれる家族。


「遅い、ご飯よ」って言ってくれるお母さんも。
「お姉ちゃん、おかえりー」って笑った己奈子も。
残業で大変なお父さんも。


それが、あたしにはとっても大事なモノだったんだってやっと気付く。


あたしが死んだらこの家族も、悲しむんだ。
緋人だけじゃない。


そう思ったら、もう二度と死にたいなんてバカな事は考えられない。



死ぬ以外にも方法なんて、たくさんある。
無理に学校に行く必要だって、ないんだ。



家族で食卓を囲みながら、あたしは二人にテレビの事を教えると二人はやたら興奮していた。
絶対録画だ、録画。と騒ぐ二人。



「私、絶対起きてられないー。明日も部活だし」


そう、ぼやく己奈子にあははっと笑みが零れた。

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