生きることの意味【完結・加筆完了】


「さって、急いで行かないとそろそろまじで間に合わないかも」
京香さん、ストレスで禿げるな」

「っ、緋人のバカ」

「おう、なんとでも言いやがれ。今の俺は何言われても効かん」

「くっ」

「ほーら、行くぞ」


緋人はあたしの手を取ると、立ち上がる。
不満気に緋人を見上げる。

でも、緋人の笑顔が思ってる以上に嬉しそうで、まあいっかって思った。



「それにしても、よくここだってわかったな」


一度しか来てないのに。と続けて。



「なんとなくここにいるかなって」



別に確信があったわけじゃない。
でも、確かにあの時あたしと緋人はこの光景に目を奪われた。


その衝撃をもう一度味わいたくなったのかなって思ったんだ。
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