生きることの意味【完結・加筆完了】
「昨日、うちの学校に来たんだ。サトルさん」
「……まじかよ」
「それに全部聞いた」
「聞いたって何を?」
「今までサトルさんが緋人に何をしたとか」
「っ」
緋人が息を呑む。
きっと、あたしには知られたくなかったんだろう。
元カノがサトルさんに奪われたなんて事。
「悉く、彼女を奪ってやったって笑ってた。
でも、緋人の見た目やモデルって肩書きだけで付き合ってた女なんか別れて正解だよなとも言ってた」
「……なんだよ、それ」
「もちろん、それで奪っていいってわけじゃないよ?
だって、緋人は少なからず傷付いたでしょ?」
「別に、俺は」
その返事はどこか歯切れが悪い。
嘘なんて吐かなくていいのに。