生きることの意味【完結・加筆完了】
「サトルさんって、突然仕事なくなったりとかしますか」
「えっ?どうしたの、突然」
「いや、急にいらなくなったりとかするのかなって」
「サトルがそんな事言ってたの?」
「そういうわけじゃないんですけど…」
「……サトルは世界で通用する男よ?
緋人はモデルとしての才能があるけど、まだサトルには敵わないわ」
「そうなんですか」
「何。まさか、サトルがいいとか言い出すんじゃないでしょうね?」
ギラリと桜井さんの目が光った気がして、あたしは慌てて首を振った。
「違います!それは断じてあり得ません!」
「ふうん?それならいいけど。サトルの心配ならご無用よ。
来月には海外ブランドの広告に抜擢されたから。あ、これは秘密ね」
「本当ですか!?海外ブランドとか、凄い」
「大丈夫。サトルも、緋人も。世間が放っておかないわ」
そうやって、緋人を見ながら自信満々に言った桜井さん。
あたしは桜井さんの視線を辿る様に緋人を見た。