生きることの意味【完結・加筆完了】
「こっちこっち」
「あ、お待たせしました」
「いいから乗って」
「はい」
やっぱりタクシーなんだ。
後ろにあたしと緋人を乗せると、京香さんは助手席に座った。
それから、自宅の方面を運転手に伝えると京香さんが後ろを向いた。
「ごめんなさい。いつもなら私の車で行くんだけど、今日は緋人の所為で車で出てないのよ。私」
「……トゲがあるよ、京香さん」
「ん?何か言った?」
「いえ、何でも」
緋人はあたしの顔を見た後、肩を竦めた。
京香さんは、まだ怒ってらっしゃるようで。
あたしはあははって苦笑いした。