生きることの意味【完結・加筆完了】
先に到着したのは緋人の家の前。
扉が開くと、緋人はあたしを外へと押しだした。
「はい、杏奈、降りて降りて」
「え。あ、うん」
降りた後、すぐに扉を閉めると京香さんに声をかけた。
「それじゃ、京香さん。また明日ね」
「明日は遅刻しない様に」
「はいはーい」
「えっ?ちょっと待って。あたしここ!?」
「当然。最初っから俺杏奈の事帰すつもりなかったからね?」
「……」
まじで。
呆然とするあたしを置いて、タクシーはさっさと発進していく。
そんなあたしの腕を引く緋人。
「最初に言ってくれればよかったのに」
「言ったら素直に来てた?」
「……それは」
わかんないですけども。