生きることの意味【完結・加筆完了】


「大丈夫、キスしかしないから」

「……」

「流石に俺だって心の準備出来てねえっつうの」

「余裕じゃないの?」

「ぜんっぜん。緊張してるって。俺だって」

「緋人でも緊張すんの?」

「俺をなんだと思ってるんだ」

「いやあ、あはは」


キッと睨まれたから、あたしは笑って誤魔化す。
だって、緋人っていつも自信満々だし、余裕そうだから。


女経験だって豊富だし。



「ドーテーとかそんな嘘は吐かないけど、俺本気で好きになったの杏奈が初めてだから」

「……」

「だから、変な事して嫌われたらどうしようとか、色々思っちゃうわけ。
これでもピュアだよ?俺」

「信じられない」

「ほら、酷いな。杏奈は」


前にも足を踏み入れた事のある緋人の部屋。
相変わらず、微妙に散らかってる部屋。

汚いわけじゃないんだけど、雑誌とかが落ちたりしている。
< 312 / 332 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop