生きることの意味【完結・加筆完了】
「杏奈はソファね。俺の隣」
「はいはい」
「うわー、やっと念願の恋人になった初日なのにその塩対応」
「あたしがこうだって知ってるじゃん」
「知ってますけど」
「でしょ?」
「ついでに暴露っちゃうけど、俺杏奈に一目惚れしたって言ったじゃん?」
「うん…?」
隣に座った緋人は片方の足をソファに乗せると、そこに肘を立てて頬杖をつく。
「一目惚れしたのは、実はもーーっと昔。あれは俺が中学の時だったかな」
「はっ!?」
吃驚してポカンと口を開けたまま緋人を見る。
緋人は照れ臭そうに笑うと続けた。