生きることの意味【完結・加筆完了】
名前も知らない君
中学の時。
俺は全てがつまらなくて、学校をサボって近所のマンションの屋上に寝転んでいた。
そこのマンションには仲良しの友達がいて、よく屋上に来てたから。
昼とか、夜とか。
そこだけ抜き取られた様に見える空が好きで。
何か嫌な事があったら来ていた。
「あれ?」
「え?」
俺は何?と思いながら振り返る。
そこに立っていたのはあどけない顔をしていた杏奈だった。
「綺麗」
「綺麗?」
「髪の毛」
「……?」
そう呟く様に言った杏奈。
髪の毛?そう思いながら俺は前髪を触った。