生きることの意味【完結・加筆完了】
おまけ

サトルの場合



あーー。

あんな嬉しそうな顔見せちゃって。



……ムカつく。


俺の事見たらいいのに。



「ほら、サトル。こっちにちょうだい」



ミレが眉間に皺を寄せながら少しだけ苛立った声を上げる。
俺はポーズを変えながら、ミレを見て話しかけた。



「ミレ、今日どーお?」

「何。誘ってるの?」

「うーん、ちょっと人肌恋しくて」

「まさか、俺の体目当て?」

「うん、そう」


ミレはカメラを俺に向けたまま、口をポカンと開けていた。
それがあまりのも間抜けでおかしくて、クスクスと笑う。


俺が笑っていると、ハッと我に返り

「からかうんじゃねえ!」

と、恥ずかしそうにミレは言った。

< 322 / 332 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop