生きることの意味【完結・加筆完了】
こんな、お互いを知らなくて。
そこに愛はなくて。
そんな二人なのに、やることだけはやってます。
だなんて、そんなのまじで、まーーーーじーーーで、勘弁だから。
「軽いの、本当に嫌。
出会って二日で、簡単にそんなこと出来る人信用出来ない」
あたしは立ち止まると、同じように止まった緋人にそう吐き捨てた。
緋人は目をまん丸にしてから、
「…言うね」
そうやって苦笑した。
そんな緋人を一瞥してから、あたしはまた歩き出そうとする。
だけど、次の緋人の言葉であたしは足を止めた。
「…杏奈のこと、可愛いと思ったんだからしゃあねえじゃん。
俺は自分に素直に生きたいの」
ぐっとあたしは握りこぶしを作る。
それから、一度深呼吸をした。
ゆっくりと振り向くと、緋人もあたしを真っ直ぐに見ていた。