生きることの意味【完結・加筆完了】
「…ごめんね。
でも、あたしももう素直に生きたいって思ったんだ。
それは誰でもない緋人のお陰だよ」
「それはそれ。
俺の感情はどうしたらいいわけ?」
確かにそうだけど、それを許していたらキスしたい人はいつでも誰にでもしていいよってことになるではないか。
それをするかしないかは、理性の問題であって。
例え、表面上が恋人同士であってもあたしと緋人は違う。
「…あたしのこと、好きでもないのにしないでってこと」
その返答に緋人はきょとんとする。
それから、あたしをまじまじと見つめた。
「まじで言ってんの?」
「…え?」
「好きならしていいってことなの?」
「…まあ、それならまだ理由あるじゃん」
それに緋人は俯くと軽く溜息をついた。