生きることの意味【完結・加筆完了】
「…あたし…利用してた」
「それでよかったよ?」
「…好きでもなかったんだよ?」
「うん」
「何でいいわけ?」
「俺が好きだって理由だけじゃ不服?」
「……わかんない」
「じゃあ、もう一度付き合ってみる?」
「…え?」
その意図が理解出来ず、問い返す。
緋人はいつもの様に意地悪く笑っていた。
「俺のこと知るためには、フリでもなんでもいいから付き合ってみたら?」
「……好きに、ならないよ」
「なるかもよ」
「………どっからそんな自信」
動揺しながら、あたしがそう言うと緋人はあたしに近付き、軽く抱きよせた。
それから耳元で
「俺が好きだから」
そう言った。