生きることの意味【完結・加筆完了】
「…だから、あたし好きって言ったの?」
「は?」
「いや、だからだよ。
だって、あたし緋人がモデルだなんて知らなかったし」
「ちっげーって。言ったじゃん。
俺の一目惚れだって」
「そうだけど…緋人のこと知ってたかもよ」
「ぷ、この緋い髪に顔見たら、知ってるならすぐわかるでしょ」
「だから、それで隠してたかもって言ってるの」
「ないない、杏奈そんな器用そうに見えない」
一々ムカつくな。
確かに知らなかったけども。
「…まあ」
緋人はだらんと、腕を下に垂らすと
「杏奈ならそれでもいいのかも」
なんて、上を見ながらぽつりと呟いた。