生きることの意味【完結・加筆完了】

「あはは、何それ。正直過ぎ。しかも一切謝らないとこ、杏奈っぽい」

「あたしっぽいって、なんかあたし凄く勝手みたいじゃん」

「そう言ってるけど?」

「うっわ」

「あはは。うそうそ。てか、寝ちゃったから戻って時間ちょうどよさそうだね」


時計を確認すると、昼12時。完璧寝過ぎだね。
戻ってちょうどよさそうとか言うけど、一応緋人がきょうかさんって人と約束したのは17時だよ。

5時間もあるよ。
これってちょうどいいのか?


「あ、見てみて。珍しい。メロンソーダ売ってる。この自販機。
俺買っちゃお。杏奈は?何か飲む?」


メロンソーダのボタンを押しながら、あたしにそう尋ねる。
自販機を見て、私は指差した。


「……コーヒーブラック?」


緋人は嘘でしょって顔をするけど、至ってあたしは真面目だ。


「まだ少し眠いから、眠気覚ましに」

「……信じられない。アンビリーバブル」


あたしはその発言にアンビリーバブルだよ。

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