生きることの意味【完結・加筆完了】
「拗ねてる?」
「拗ねてねえ」
「拗ねてるでしょ」
「拗ねてねえって」
「ぷっ」
口を尖らせたまま、そう言う緋人がおかしくて思わず吹き出してしまった。
すぐにこっちを向くと、緋人は笑ったあたしに怒ってるけど。
一度ツボに入った笑いは中々止まらない。
「……笑い過ぎ」
「だって、ふふ、緋人、めっちゃ拗ねてて子供みたいで。あはは」
「……ったく、降りるぞ!」
緋人は照れた顔を隠しながら、あたしの手を握るとぐいっと引っ張って立ち上がる。
どうやら目的の駅に着いたらしい。
引かれるままに、あたしも駅に降り立つと周りをきょろきょろと見渡す。
放課後、よく来ていた繁華街のある駅の一つ先。
どちらかと言えば、ここはオフィス街って感じだったと思う。
ここに、撮影スタジオがあるのだろうか。