生きることの意味【完結・加筆完了】
すると、突然目の前の女の人が笑い出した。
そりゃもう盛大に。
思わず、身体がびくっとなってしまったよ。
「あはは!緋人にもそういう女が出来たか!
そうかそうか!まあ、でもサボるのは感心しないけど!」
そう言うと、その人があたしに視線を送り立ち上がった。
その瞳はとっても優しかった。
「申し遅れましたが、私はANNEの編集長をしてる桜井由月です。どうぞ、よろしくね」
そう言って微笑むと、桜井さんは私に名刺をくれた。
慌ててその名刺を受取ると、頭を下げる。
「あ、あたしは、春瀬杏奈ですっ」
「杏奈ちゃん、ね。ねえ。緋人のどこを好きになったの?」
「えっ?」
「ちょっと!桜井さん!いきなり何を聞いてるんですか」
一瞬にして顔が強張るあたしの間を取り持つ様に、緋人があたしの前に立った。