生きることの意味【完結・加筆完了】

「だって、緋人って女運悪いから」

「そうですかねえ?」

「そうよ。前に付き合ってた子はストーカーっぽくなるし、読モと付き合ってた時は緋人に近付く女、全てに噛み付いてたし」


私にもね、と桜井さんは苦笑しながら話した。

……想像はしてたけど、やっぱり緋人の恋愛遍歴は凄そうだ。



「だから、どこを好きなのかなって」


ニッコリと目を細めると、桜井さんはあたしを見つめた。


ぎゅっと制服の裾を掴んだあたしは、顔を上げて桜井さんを真っ直ぐに見る。
それに返す様に、桜井さんは首を少しだけ動かした。


意を決して、あたしは口を開く。



「緋人があたしを好きで好きで堪らないんですっ」


そう、宣言したあたしに目の前の二人はぽかんと口を開けたまま呆けている。
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