生きることの意味【完結・加筆完了】
「そうそう、今日はいなかったんだけどメイク担当してるりなさんも男の人が好きなんだよ」
「りなって名前なのに?お、男なの?」
「そうそう」
「まあ、りなの場合は男の人ってよりは彼氏を大好きって感じだな」
「俺も名前しか知らないけど、会ってみたい。いつもノロケてるよね」
「俺は会った事あるよ」
「え。まじで。どうだった?」
「めっちゃイケメン。まじで」
「うわー」
えっと。そのりなさんって人も、りなって名前なのに男で、更にはイケメンと付き合ってる?
ややこしいし、わけわかんない。
つか、こんな同性愛とかってオープンなの?
あたし初めてそういうの聞いたよ?
「スタジオ通ってたらりなさんに会えるだろうから、杏奈の事紹介するよ」
「あ、うん」
「さ。じゃあ、撮影開始するよ。緋人、今日もよろしく」
「はい、よろしくお願いしますーー!杏奈見てろよ!」
「うん」
緋人はセットまで歩きながら、あたしにウインクをした。
やる事がキザだっつうの。
だけど。
撮影が開始された瞬間。
スタジオの空気はがらりと変わった。