生きることの意味【完結・加筆完了】
「緋人は今、大事な時期なのよ。貴方みたいなのがいたら緋人も…」
「何を知ってるんですか」
「は?」
俯きながら、あたしはそう言った。
訝しげな顔をする京香さん。
別にあたしは緋人の邪魔をする気なんかサラサラない。
「あたしと緋人の何を知ってるんですか。
あたしの何を知ってるんですか。
あたしはモデルとしての緋人を尊敬してます」
「……」
「だから、モデルとして緋人が成功するなら嬉しいです」
「その言葉、忘れないでちょうだいね」
「はい」
ふいっと顔を背けると、京香さんはあたしから離れていく。
あたしはというと、内心モヤモヤしていた。
きっと、緋人はこれまでそういった彼女が多かったのかもしれない。
それは知らないけどさ。