生きることの意味【完結・加筆完了】
「え。そうなの?」
驚きながら聞き返すと、緋人もミレも頷く。
「俺もこれは緋人っぽいと思う。だけど、モデルとしての緋人ではないな」
「……」
「だから、緋人が指した写真とかを雑誌では使うよね」
「そういう事」
わかった。それはなんとなくわかった。
けど、どういう事なんだ。
まだ難しい顔をしてるあたしに、緋人は笑う。
それからやっとその意味を教えてくれた。
「杏奈はモデルの俺よりも、普段の俺がいいって言ってくれたって事」
あ、成程。そういう事か。
あたしはモデルでない緋人がいいって、二人に言ったわけだ。
「いい子、見付けたじゃん」
「だろ?」
ミレにそう言われた緋人は、本当にあたしの指した写真にあったみたいな素敵な笑顔を見せたんだ。