激突お義父さん！

敵陣侵入！②



そろそろ、家を出る時間がきた。

俺は立ち上がり、飲んだコーヒーのカップを流し台に持っていき、最後に忘れ物がないかを確認した。

スーツ、履歴書、メモ帳、筆記用具、準備は全て万端だった。

後は勇気と決意を持って職場に向かうだけ。

次この家に帰って来るときは、俺は笑っているのやら、泣いているのやら。

そんな事を考えながら出入り口のドアの横にかかっている全身鏡を見ながら、俺はあることを呟いた。

『俺はだらしなくないマジメで誠実な好青～年。趣味は蟻の巣いじり～～』

これを念仏のように三度唱え、顔を叩きながら自分にいい聞かせた。

他の人には見せられない位怪しい図である。

『さてっ！いざ敵陣に攻め込みますかっ!』

俺は決意を固め自分の未来を掴みとるため、勢いよくドアを開け放った!。



『ゴハッ!!痛ぇ!!』

そして通りかかった隣人にドアが当たって怒鳴られてしまいましたとさ。