激突お義父さん!
敵陣侵入!⑦

お、男の方と目が会う。
その気まずさが俺には我慢ならず、それに挨拶1つ出来ない男かと思われたくない一心でとっさに俺は口を開いた

『こ、こんにちわ!』
俺はその場で立ち上がり、男の方に深々と頭を下げた。

普通だが今の俺にはこれが出来る精一杯の自己表現だった。

すると俺が口を開いたとほぼ同時に男の方も喋り出した。





『こんにちわ、いらっしゃい。』

笑みを浮かべながら男の方も普通に返してくれた。

・・・あれっ!?な、何か普通なような~。

俺はもっと

『何しにきた!』

とか

『いろんな意味で不適合』

とかキツめの言葉で洗礼を浴びるかと思っていたのだ。

だが、迎えてくれた言葉は普通で、なんと笑顔のサービス付き。

もう想像を遥かに越えていい人そうな感じじゃないか。

そんな事を考えていると、男の方は俺の座っている椅子の向かい側にある椅子に俺と向き合う形で座った。

俺は最初に比べ少し和らいだ気持ちになっていたが、それもつかの間
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