不純な理由で近づきました。




あいもかわらず兄さんにもっとお洒落していけば?みたいなことを言われたし。


でも……普通、だと思うんだけどな。



淡い紫色のシンプルなブラウスに白のスキニーパンツ。


そして踵の低いパンプス。



……普通すぎるのか。


なるほど、と一人納得していると、いつのまにかわたしと恭くん、カインくんの三人だけになっていた。



「ごめんね、六花ちゃん」


「いえ、気にしてませんよ」



これだけかっこいいイケメンがいたら、肉食女子が食いつかないわけがない。


見てるだけでお腹いっぱいのわたしとは違う。


まぁわたしの場合は見た目より声ですけど。



「じゃあ行こっか」



カインくんの一言でわたしたちは歩き出した。





夏休みが始まって一週間。


昨日メールがきて、カインくんの家にお呼ばれされたのだ。


もちろん、恭くんも一緒に。



全くもって予定が皆無だったわたしは、すぐに了解のメールを返し。


そして、今現在に至る。







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