不純な理由で近づきました。




カインくんっぽいといえばそんな気が。


そういえば、カインくんって持ち物ブルーが多いよね。


ブルー、好きなのか。



「六花、こっちきて座れば?」


「あ、うん」



きょろきょろと周りを見ながらちょこん、とカーペットの上に座る。



「恭くんって、カインくんとは中学からの付き合いなんですよね?」


「あぁ」


「じゃあ、カインくんの姉妹さんにも会ったことがあるんですか?」


「……あぁ」



あれ、恭くんの返事に少し間があったような。


その上、顔が少し曇った……?



「お姉さんたち、美人さんですか?」


「……まぁ、美人といえば美人だな」



ただ、と続けた恭くんの言葉は下からの騒音によってかきけされた。


思わず恭くんと顔を見合わせる。



「……カインくんに何かあったんでしょうか?」


「……どうだろ」



なんか、音がうるさくなってるような気がする。


あと、足音?


近づいてるような……






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