不純な理由で近づきました。
*姉妹というものは予想不可能みたいです
バンッと部屋の扉が勢いよく開いた。
そこにいたのはなんとも迫力のある女の人たち。
思わず呆けてしまったけど、この状況なら当然の反応だと思う。
隣から恭くんのげっ、という声が聞こえた。
ものすごく嫌そうな声。
でもやっぱり素敵な声だなぁ、なんて思っていたら。
「きゃあぁぁっ、何この子!!」
え、と声を発する暇もなく、タックル、もといわたしは抱きしめられていた。
「く、苦し、」
「きゃあ、髪サラサラ、お肌スベッスベ!」
目の前にいるとても綺麗な人。
さっきからかわいいを連呼してるけど、眼科行った方がいいですよ、と言いたい。
「しかも、スタイルもいいわね」
「ひゃあっ!?ど、どこ触って、」
後ろから伸びてきた手がわたしの腰のあたりを触る。
くびれなんてそんな大層なものありませんから、そういうのやめて下さいよ。
むぎゅむぎゅとされるわたし。
な、なんなんだろう、この状況……
「あら?このメガネ度が入ってないじゃない」
「あ、それは、」
えいっ、という声といっしょにわたしの見る世界がクリアになる。
「っ………」
小さく息を呑むと同時に、グイと手を引かれて、視界がふわりと温かいもので塞がれた。
わたしとは違うぬくもりが、背中を通して伝わってくる。
大丈夫だって言われてるみたい……
ホッとする……