不純な理由で近づきました。
……わざわざ夢を壊すこともないか、うん。
「あぁん、ユスラばっかりぃ〜。お姉さんもぉっ!!」
えいっ、と上から抱きついてきたイリアさんに、思わずうっとなる。
ユスラさん一人なら大丈夫だけど、二人の体重を支えられるほどタフじゃないです、わたし。
「ちょっとイリア、六花ちゃん苦しそう……」
「あたしの体重が重いっていうのぉ〜?」
「いや、そういう意味じゃ、」
上から聞こえてきた声に、ついため息がもれそうになる。
ユスラさんはまだ泣いてるし……
どうしよう、なんて考えていると、足のふくらはぎに何かを感じて。
「ひゃんっ」
ツゥ、と何かをなぞるように太ももから足首にかけて撫でられて、間抜けな声が出てしまった。
……かなり恥ずかしい。
「六花ちゃんの足の形っていいわね。
かぶりつきたくなっちゃうわ」
「か、かぶ?」
その声はきっとサユさん。
本気じゃ……ないよね?
ゴクリ、と思わず喉を鳴らした。
「六花」
「あ、恭くん…」
ひょい、と新たに恭くんが視界に。
大丈夫か?という問いに、わたしは微苦笑を浮かべた。