不純な理由で近づきました。
*思いきって告白します
4限目が終わり、わたしはすぐにお弁当を持って教室を出た。
向かう先は西校舎3階の空き教室。
あそこは人通りも全くといってないし静か。
普段はカギがかけられているけど、1年のときにわたしがたまたまカギを拾い、そこから暇なときはここで過ごすようになっている。
いわゆる秘密の教室、みたいな?
そのうちカギはこっそり職員室に返しておくので許してほしい。
周りに誰もいないことを確認して、わたしはその教室に入った。
……さて、ここで選択肢が2つあります。
その1
2人がくる前にご飯を食べてしまう
その2
2人と一緒にご飯を食べる
「あ、でも2人が来るとも限らないし、ご飯を持って来るかも分からないんだ……」
というか、来る確率の方が低いような。
いきなりあんなことを言われたんだし。
「……食べよう」
時間がなくなって食べられなくなるのは避けたいし。
床に座り壁によりかかる。
お弁当を開けて手を合わせたときに、ガラリとドアが開いた。
反射的に顔を上げて少し驚く。
来て、くれたんだ……
そこには興味津々で教室に入る枢くんと、いつもと変わらないクールな表情をした一ノ宮くんが。
「へぇ、やっぱりこの教室であってたんだ」
お邪魔します、と微笑まれてお辞儀を返す。
「で、話って?」
「まぁまぁ恭、その前にご飯食べようよ。
せっかくあの大群から逃げてきたんだし」
わたしも女だけどいいのだろうか……
一ノ宮くんの表情もそれを訴えていた。