不純な理由で近づきました。



散々(遠回りで失礼のないように)嫌だと訴えたけど、わたしの意見が通るわけもなく。



「やぁん、六花ちゃんお肌スベスベ!!
若いっていいわねぇ〜」


「はぁ、どうも……」



もくもくと上がる湯気の中、伸びてきた手から逃げるようにわたしは体を縮める。


でもスゥと背中をなぞられてビクッとしてしまった。



「背中のラインもとても綺麗ね」



ふふ、と色気たっぷりの声を振り撒いているサユさん。


手つきがいやらしいです。



「服の上からでも思ったけど、六花ちゃんプロポーションいいわね」


「……サユさんに言われても嫌味にしか聞こえませんよ」



バレリーナのようにスラッとした高い身長、細い手足、対照的に豊かな胸。


女の子全員が羨ましがるほどの完璧ボディー。


聞いてみたところ、イリアさんとサユさんはモデルをしているらしく。


その容姿も納得だ……






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