不純な理由で近づきました。
*朝から刺激的なことは禁じます!




昨日の夜、あれからわたしはしばらくその場に呆然と立っていて。


わたしに理解できるキャパシティがすでに限界だった。


多分、ユスラさんに気づいてもらわなければ永遠にそこにいたのでは?と思えるぐらい。


すっかり冷めてしまったと思われた体は逆に熱いぐらいで。


恐らく真っ赤になったであろう顔を見られたくなくて。


すぐに布団に入ったはいいものを、あんなことをされたあとでは夢を見ることもできない。





どうして……なんで恭くんはあんなことを?


思い出すのはさっきのシーン。



ほんのりとした光に照らされた、妖艶な恭くんの姿。


繋がれていた右手から感じたあたたかな体温。


少し濡れた髪や、そこから匂うシャンプーの微かな香り。


わたしを映して離さない、真っ直ぐでどこか艶やかな色を浮かべた瞳。


何よりも心を震わせる、甘い甘いバリトンボイス。


挑戦的な笑顔。


触れた、柔らかな唇……



全部が全部、嫌になるぐらい鮮明に頭の中でリピートされて、ますます顔が熱くなる。


ついでに心臓もうるさくて。



結局、眠るのが遅くなってしまったけど、これは仕方ないと思う。








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