不純な理由で近づきました。
「六花ちゃん、ちょっと元気ないわよ?」
寝不足?と聞いてくるイリアさんに曖昧な笑みを返す。
「さぁ、さっさと着替えて朝ごはん食べに行きましょ」
メイクをバッチリとし終わったイリアさんがニッコリと笑う。
えーと…わたしはどうすればいいのでしょう。
着替えて、と言われても体1つで来たわたしには着替えの用意がない。
そのため返事のしようがないのだが。
仕方がないし今日は昨日ので我慢するか、と考えていたらイリアさんに名前を呼ばれた。
「なんですか?」
「はぁい、ちょっとこっち来てね〜」
「?」
え、何?
たじろぐわたしの行き先には、たくさんの服とそれを見ているサユさんとユスラさんの姿。
ユスラさん、今日もSweet dreamの服だ。
本当に兄さんのファンなんだなとしみじみ感じて嬉しくなる。
「これなんかどうかしら?」
「かわいいけど、ぼくはこっちの方がいいな」
「んー、それもいいわねぇ」
………なんか吟味してる?
まさか、ね。
この部屋中に広げられた中からわたしの服を選ぶ、とか……違いますよね。
というかむしろ違っていてください。