不純な理由で近づきました。



「ムリです!!こんな格好で歩けませんっ」


「あら、かわいいと思うけど」


「私の見立てが気に入らなかったかしら?」


「そ、そういう問題ではなくて……」



思わず「うっ」と言葉に詰まる。


いや、服はかわいいんですけど。


だからと言って、わたしに似合っているかどうかは話が別だ。


まぁ派手な色じゃないだけよかったとは思う。



それより、問題はこのスカートの丈だ。


アイボリー色のふんわりしたシフォン素材のワンピース。


胸の下のところにベージュのリボンがついている。


ヒラヒラとした袖は肘がちょうど出るくらいの長さ。


首もとの衿にはパールが散りばめられていて上品な雰囲気。


そして……



「こんなの、しゃがんだら見えちゃいますよ……」



くい、と軽く裾を引っ張ってみたものの、そんな簡単に伸びるワケがなく。


ふわ、とスカートがわたしの太ももの半分ぐらいのところで揺れた。



そりゃあ周りの女の子たちはこのぐらい、というかこれより短いのを履いていた気がするけど。


わたしは今まで膝丈、もしくはそれより長いスカートしか履いてこなかった。制服も然り。


ムリだ。恥ずかしい。







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