不純な理由で近づきました。
じゃあごはん食べよー、と言うナルちゃんに、わたしも空いていた席に座って。
いつもより豪華な食事に少し気分が上がりながらも食べ終わった。
「じゃあオレたちは先に行くねー」
まだお喋りに花を咲かせていたみんなにそう言って、ナルちゃんはわたしの手を引いた。
そのまま(多分)ナルちゃんの泊まっている部屋へと向かう。
というか、そこって兄さんや恭くんも泊まってる部屋だよね?
わたしが勝手に入ってもいいのかな……
「りっちゃん、どうしたの?」
「うん……えと、これってわたしが入っていいのかなって」
「オレがりっちゃんたちの部屋に行く方がヤバイでしょー」
あ、それもそうか。
さすがにそれは、ねぇ。
納得しながら歩いていると、部屋に着いたらしく。
お邪魔します、と言ってわたしは中に入った。
「りっちゃん、こっち来て座って」
「はーい」
言われた通りに椅子の上に座ると、ナルちゃんがサラサラとわたしの髪をいじり始める。
懐かしいような感覚に思わず笑ってしまった。
「りっちゃん?」
「ふふ……なんでもないの。ただね、小さいときはよくこうしてもらったなって」
「あぁ、そうだね」