不純な理由で近づきました。




「今欲望と煩悩と本能と渇望を理性で抑えて消化してるとこだから」



ちょっと待ってて、と言う恭くんに『?』を浮かべる。


な、なんかいろいろなワードが出てきたけど、どれも場違いなような……



「ん、もう大丈夫」


「あ、はぁ……そうですか」



肩から重みが消え、恭くんの綺麗な顔がわたしの視界に映った。



「え、と……恭くん、大丈夫ですか?」


「あー、多分」



困ったように笑う恭くんになぜかキュンとして。



うー……なんなんだろう、これ。


心が浮き足だってるというか、浮かれてる?


どういう表現が正しいのか分からないけど、落ちつかない。



「今日は、雰囲気違うな」



何気なく言われた言葉にドキリと心臓が反応する。



「ふ、服は、イリアさんたちが、その…選んでくれて。

髪はナルちゃんがしてくれたから……

わたしもこんな格好するの、初めてです」


「そっか」


「はい。あ、あの……」



ん?とこっちを見つめる恭くんに、わたしは今、なんてことを聞こうとしたのかと固まった。


でもそれは無意識に出てきて。






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