不純な理由で近づきました。
連れてこられた先は大きなファッションモール(と言うものだと思う)。
曰くわたしの旅行中の服やらなんやらを買いにきたらしい。
もう今着ているようなブランドのものを着るのは心臓に悪いのでホッとしていたけど、ついた先にあったのもこれまた結構なお値段のお店なのでびっくりしてしまった。
そんなにお金もないのでいいです、と言ってもプレゼントするから気にしないでだの聞く耳を持たない3人姉妹。
お願いだからやめてくださいと言えないのがつらい。
挙げ句の果てにと言ってもいいのか分からないけど、これ試着してと言われたらこれもこれもとこんもりと積まれた洋服たち。
なんて雑な扱いを……はさておき、これは全部着替えなければいけないのでしょうか?
ゴクリと喉を鳴らして少しの希望を込めた目で見たわたしに返ってきたのは恨めしいほどに輝いた笑顔。
こんな状況でなければ見惚れていたのだろうけど、今のわたしにはそんな余裕はない。
渋々(というよりも拒否すると無理矢理着替えさせられそうだったので)全ての服に袖を通し、何着か買うことになって。
あぁやっと終わったと解放感を感じたのも一瞬。
サユさんに「じゃあ次のお店に行くわよ」とウインクされたときにその先を想定して、つまり全てのお店をこのスタイルで回るのかと思ったときにわたしが青ざめたのは言うまでもない。