不純な理由で近づきました。
そんなこんながあって現在、わたしはベンチに座ってだれています。
イリアさんとサユさんは「次はアクセサリーね!」と言ってどこかに行ってしまった。
ショッピングに必要なのは気力と根性なのですね。大変なんですね。
わたしはそれをこの年になって初めて知りました。
あんなに動いていてまだ何かをする気力のあるイリアさんとサユさんが素晴らしい。尊敬します。さすがです。
「大丈夫ですか、六花さん」
「ユスラさん……」
顔をあげると飲み物とドーナツの絵が描かれた箱を持っているユスラさんが。
「ごめんなさい、疲れましたよね?お昼も食べずに……」
別に大丈夫、と口を開こうとしたときにきゅう、とわたしのお腹が小さく鳴った。
「………」
「………」
「………」
「……、ぷ」
クスクスと小さく笑うユスラさんに思わず顔が熱くなる。
でもこれは自然の摂理ですから。仕方ないことなんです。
どうぞと渡されたドーナツをありがたく受け取って口をつける。