不純な理由で近づきました。



恭くん、どうしてそんなことを聞いたんだろう。


もしかしてわたしのアイス食べたいのかな。



「あの、一口食べる?」



別にわたしは構わない。こういうことは兄さんやナルちゃんといればしょっちゅうだし。



「どうぞ」



スプーンで一口掬って恭くんの方に向けると、恭くんはそれをやけにじっと見て小さく息を吐いた。


はやくしないとアイスが溶けちゃう……もしかして違ったのかな。だとしたらかなり恥ずかしい。


引くに引けずどうしようと困っていると、スプーンを持っていた手が掴まれてあっという間にアイスは恭くんの口の中に消えてしまった。



「あま、」



ペロリと唇を舐めとる姿がなんとも官能的に見えて思わず目をそらしたくなる。


でも意志とは逆にわたしの視線は恭くんに惹き付けられてしまって。


バチリと絡まった視線になんだかどぎまぎしてしまった。






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